ファーミネーターを柴犬にやりすぎた話 — 毛量が戻るまで4ヶ月かかった

ファーミネーターを初めて使った日のことはよく覚えている。

ふくの背中を数回すべらせただけで、灰色の綿のような毛がごっそり取れた。ゴミ袋がすぐ膨らんだ。あまりに取れるので楽しくなって、その日は30分くらいかけて全身をやった。

換毛期の春はそれを毎日続けた。3週間ほど経ったころ、ふくの腰から後ろ足にかけての毛が、他の部分より明らかに薄くなっているのに気づいた。

どこでやりすぎになったのか

かかりつけ医に見せたところ、皮膚に炎症はなく、「抜けるはずのない毛まで取ってしまったのだと思います」という説明だった。しばらく使用を止めて様子を見ましょう、ということになった。

元の毛量に戻るまで、次の換毛期をまたいで4ヶ月ほどかかった。

あとから考えると、やりすぎた要因は3つあったと思う。

1. 時間が長すぎた 1回30分は明らかに長かった。取れる量が快感になっていて、抜け毛が出なくなるまで続けてしまっていた。抜け毛が出なくなった時点で、そこから先は「抜けるはずのない毛」を引いていたことになる。

2. 同じ場所を何往復もしていた 特に腰まわりは毛が密で取れる量が多いので、無意識に往復回数が増えていた。薄くなったのがまさにその部分だった。

3. 毎日やっていた 換毛期は抜け毛が多いから毎日必要だと思い込んでいた。実際には、毎日大量に抜かせる必要はなかった。

いま守っている頻度と時間

失敗のあと、うちで決めたルールはこれ。

時期頻度1回の時間
換毛期(春・秋)週1〜2回10分まで
それ以外の時期使わない

換毛期以外は使わないというのが、うちにとっていちばん大きな変更だった。ファーミネーターはアンダーコートをかき出す道具なので、抜けるアンダーコートが無い時期に使う理由がない。

それから、タイマーを10分にセットしてから始めるようにした。感覚でやると必ず伸びるので、機械的に止める仕組みが必要だった。

使うときに気をつけていること

  • 抜け毛が出なくなったら、時間が余っていてもそこで終える。これがいちばん大事だと思う
  • 同じ場所は2〜3往復まで。取れるからといって往復しない
  • 力を入れず、毛の流れに沿って撫でるように動かす。刃を皮膚に押し当てない
  • 骨が浮いている場所は避ける。背骨・肘・膝・肩は皮膚が薄い
  • 完全に乾いてから使う。シャンプー後の生乾きで使うと刃が引っかかる

「背骨・肘・膝・肩を避ける」は使い始めた当初まったく意識していなかった。ふくが途中で急に立ち上がって嫌がることが何度かあったが、いま思えばそこに刃を当てていた可能性がある。

日常用はアンダーコートレーキに切り替えた

換毛期以外に何も使わないと毛が絡まるので、日常のブラッシング用に刃が丸いタイプを買い足した。

抜ける量はファーミネーターに比べるとかなり少ない。ただ、そもそも毎日大量に抜かせる必要はなかったので、うちの使い方にはこちらのほうが合っていた。刃が丸いので皮膚に当たっても切れる感じがなく、力加減を気にせず使える。

もっと軽く撫でるだけでいい日は、ゴム製のものを使っている。あんはブラッシング自体があまり好きではないので、短時間で終わるこちらのほうが受け入れがいい。

ふくとあんで受け入れ方がまったく違うのも、2頭飼ってみてわかったことだった。ふくはブラッシング中に寝てしまうくらい平気だが、あんは3分を超えると立ち上がる。同じ柴犬でも同じ道具・同じ時間が正解にはならなかった。

抜け毛そのものを減らす方向も併用している

道具の話だけだと片手落ちなので、換毛期の抜け毛対策としてやっていることも書いておく。

まとめ

  • ファーミネーターは効きすぎるので、抜け毛が出なくなったらそこで終える
  • うちの失敗は「1回30分・毎日・同じ場所を何往復も」の3つが重なったこと
  • 元の毛量に戻るまで4ヶ月かかった
  • いまは換毛期のみ・週1〜2回・1回10分まで、タイマーで機械的に止めている
  • 背骨・肘・膝・肩は皮膚が薄いので避ける。完全に乾かしてから使う
  • 換毛期以外の日常用は、刃が丸いアンダーコートレーキやゴム製に切り替えた
  • 同じ柴犬でもふくとあんで受け入れられる時間がまったく違った

皮膚に赤み・かさつき・部分的な脱毛が見られる場合は、ブラッシングのやり方ではなく皮膚疾患が背景にあることもあります。私は獣医ではないので、気になる変化があるときは自己判断せずかかりつけの獣医師に相談してください。

この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で6年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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