柴犬がハーネスから抜ける — あんに1回やられて変えたこと、変えなかったこと

去年の夏、逗子海岸の花火大会の日だった。

家の近くで打ち上げの音が響いた瞬間、あんが真後ろに全力で下がった。首が抜けて、胸のベルトから前足が抜けて、ハーネスだけがリードの先にぶら下がった。

あんは10mほど走って、駐車場の車の下で止まった。車道に出なかったのは運が良かっただけだと思う。

そのあと半年かけていくつか対策を試したので、続けているものとやめたものを分けて書く。

柴犬が「抜ける」のは前ではなく後ろ

抜けたあとに調べてわかったのは、犬がハーネスを抜ける動きは前に引っ張るときではなく、真後ろに下がるときに起きるということだった。

体をのけぞらせて後ずさりすると、首から胸にかけての形が円錐に近くなる。柴犬は頭が小さくて首が太いので、この姿勢になると首回りのベルトを頭が通り抜けてしまう。

そして厄介なのが、これが怖がっているときにしか起きないことだ。普段の散歩で何ヶ月も問題がなくても、花火・雷・工事の音・大型犬とのすれ違いといった場面で一度だけ起きる。うちのあんも、それまで1年半なにも問題がなかった。

つまり「今まで抜けたことがないから大丈夫」は根拠にならない。これがいちばん怖いところだと思う。

まず胴回りを締め直した(これがいちばん効いた)

対策を買い足す前に、今使っているハーネスの締め具合を見直した。

抜けたときのハーネスを確認したら、胸のベルトに指が3本すっと入るゆるさだった。買ったときはちょうど良かったはずなので、あんの冬毛が抜けて体が細くなったぶん緩んでいたのだと思う。

いま基準にしているのは「指2本がぎりぎり入るくらい」。指1本だときつすぎて脇が擦れる。3本入ると抜ける。この幅はかなり狭い。

そして重要なのが、換毛期の前後で必ず締め直すこと。柴犬はダブルコートなので、冬毛のあるなしで胴回りが2cm前後変わる。うちはあんの胸囲が冬47cm・夏45cmくらいで動く。ハーネスを買い替えなくても、この締め直しだけで抜けるリスクはかなり下がった。

胸囲を測り直すのに使っているのはこれ。

買い足した3点式ハーネス(でも毎日は使っていない)

締め直しだけでは不安だったので、胴にもう1本ベルトが回るタイプを買った。首・胸・胴の3周で固定するので、後ろに下がっても抜けない構造になっている。

抜けにくさは確かに段違いだった。あんに同じ体勢をわざと取らせてみても、胴のベルトが引っかかって抜けない。

ただし毎日の散歩では使っていない。正直に言うと、装着の手数が増えるのが続かなかった。朝6時前に2頭連れて出るとき、ベルトを3本通して調整するのを2頭ぶんやると、それだけで時間がかかる。あんも装着中にじっとしていられない。

いまは「絶対に外せない日」だけの限定運用にしている。

  • 花火大会・近所で工事をしている日
  • 動物病院に行く日(駐車場から入口までが危ない)
  • 車で遠出して、知らない土地で降ろすとき

毎日使うものと、リスクが高い日だけ使うものを分ける、という結論に落ち着いた。すべての日を最大の装備で固めようとすると続かない、というのがうちの正直なところだ。

ダブルリードは試したけどやめた

首輪とハーネスの両方にリードをつける「ダブルリード」も試した。片方が外れてももう片方が残る、という考え方だ。

安全性は上がると思う。ただ、うちは2頭を1人で連れて歩くので、リードが合計4本になった時点で無理だった。散歩中に絡まって、ふくとあんが結ばれた状態になったことがある。

1頭ならダブルリードは有力だと思う。多頭飼いだと現実的ではなかった、というだけの話。

2頭を1人で歩くための道具としては、結局こちらを使っている。

手元側ともう一段下にグリップがあるので、危ないときに下のグリップをつかんで一気に距離を詰められる。抜けを防ぐ道具ではないが、「抜けそうな状況を作らない」という意味では役に立っている。

抜けてしまったときにやったこと

これは対策ではなく反省として書く。

あんが抜けたとき、私は名前を呼びながら追いかけた。これはやってはいけない対応だった。追いかけると犬は追われていると認識してさらに逃げる。あんが車の下で止まったのは、私が追いつけずに立ち止まったからだ。

あとで知ったのは、しゃがんで犬に背を向け、動かずに待つほうが戻ってきやすいということ。呼び戻しの練習をしていても、パニック状態の犬には届かないことがある。

呼び戻しそのものの練習については別に書いている。

まとめ

  • 柴犬がハーネスを抜けるのは前ではなく後ずさりのとき。頭が小さく首が太い体型が原因
  • 怖がった場面で突然起きるので、「今まで大丈夫だった」は根拠にならない
  • まず胴回りを指2本がぎりぎり入る程度に締め直す。これがいちばん効いた
  • 柴犬は換毛期で胴回りが2cm前後変わるので、季節ごとに締め直す
  • 3点式ハーネスは抜けにくいが手数が増える。うちはリスクの高い日だけの限定運用
  • ダブルリードは1頭なら有力。多頭飼いでは絡まって現実的でなかった
  • 抜けたときに追いかけるのは逆効果だった

犬が突然強く怖がる、後ずさりが増えたといった変化が続く場合は、装備の問題ではなく体調や不安の強さが背景にあることもあります。私は獣医ではないので、気になる場合はかかりつけの獣医師に相談してください。

この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で6年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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タグ: #ハーネス#脱走防止#散歩#安全#あんの記録