先住犬と新入りの最初の3ヶ月 — ふくとあんの距離が縮むまで

「最初の3ヶ月が勝負」。多頭飼いを始める前に、いろんな飼い主さんに言われた言葉です。実際、2024年の春にあんを迎えてから3ヶ月間、私はずっと胃が痛い思いをしていました。先住犬のふくは6歳の警戒心強めの柴犬。そこに4ヶ月の子犬を放り込んだわけですから、平和に行くわけがないんです。

この記事は、ふくとあんがどうやって距離を縮めていったかを、週単位で正直に振り返ったものです。多頭飼いを検討中の方、迎えた直後で不安な方の参考になればと思います。獣医ではないので一例として読んでください。

1週目:ふくの目が死んでいた

迎えた当日、ケージは別の部屋にしました。それでも、家の中にあんの匂いが充満するわけです。ふくは1日中ソファで丸まって、私と目を合わせなくなりました。「お母さん、なんでこんなことしたの?」という顔。

最初の3日間、ふくはご飯の量も半分に減りました。ストレスです。私は本気で「失敗したかもしれない」と思いました。逗子の海まで散歩に連れて行っても、いつもなら砂浜で走るふくが、ベンチの下に潜って動かない。

この時期、私がやったのは、ふくとの2人時間を意識的に増やすことだけでした。あんの世話は夫に頼んで、私はふくとだけ散歩に出る。1日30分でも、ふくが「あなたは私のお母さんだよね」と確認できる時間を作りました。

2〜3週目:ガラス越しの対面

別部屋でも家の中にいるので、お互いの存在は認識しています。2週目から、ガラス戸越しに対面させる時間を作りました。ふくがガラス越しにあんを見る。あんは無邪気にしっぽを振る。ふくは唸る。これを毎日10分。

3週目に入ると、ふくの唸りが減ってきました。「あ、これは敵じゃないかも」という顔に変わり始める。ただ、まだ同じ部屋には入れていませんでした。

この時期、私はあんのケージにこのおもちゃを入れていました。

固いゴムで、子犬の歯では壊せないので安心です。あんはこれを噛んで遊んでいる時間が長く、私が他の作業をしている間も静かでした。ふくにも同じものを試したんですが、ふくは興味なし(柴犬はおもちゃで遊ばない子が多いですよね)。

4週目:初の同室、ただしリードあり

4週目、私はふくとあんを初めて同じ部屋に入れました。ただし、両方ともリードを着けて、私と夫で1頭ずつ持つ。距離は2メートル以上保つ。

最初の10分、ふくはずっとあんを睨んでいました。あんはお尻を振って遊びたそう。ふくは唸る。これを5日間繰り返したところ、6日目にふくが初めてあんを無視したんです。「無視」って消極的に聞こえますが、多頭飼いの世界では大進歩です。「敵じゃない、関心の対象でもない」という認識に変わったということ。

5〜8週目:同じ部屋で過ごす時間が伸びる

5週目から、リードなしで同じ部屋に入れる時間を1日30分作りました。ただし、私が必ず同席。何かあったらすぐ間に入れる距離で見守る。

6週目、ふくがあんに鼻先を近づけたんです。これは大きい瞬間でした。匂いを確認した、ということ。攻撃ではなく、認識の動作。

7週目には、同じ部屋で別々の場所で寝る、という状態になりました。距離は3メートル離れていましたが、それでも一緒の空間にいられるようになった。

9〜12週目:「無視」から「共存」へ

3ヶ月目に入った頃、ふくとあんが同じソファに乗るようになりました。距離は離れていますが、同じ家具を共有できる。

12週目、ふくがあんの方に体をくっつけて寝ているのを発見した時、私は思わず写真を撮りました。あれだけ警戒していたふくが、自分から子犬の隣に寄っていく。3ヶ月で、ここまで変わったかと感慨深かったです。

私が役立ったと思った道具

最初の3ヶ月で一番助かったのが、洗えるベッドでした。

子犬のあんは、初日から1ヶ月はおしっこの失敗が多くて、毎週ベッドを洗濯していました。丸洗いできる素材じゃないと、本当に大変です。ふくとあんを別々に同じ商品で揃えると、お互いの匂いが付いた状態で並んで使えるので、慣れに役立ったと思います。ただ、夏場は乾きにくいので予備が1枚あると安心でした。

やってしまった失敗

  1. 最初に対面させすぎた: 迎えた当日に「とりあえず会わせてみよう」と思って、ガラス戸を開けてしまった。ふくが本気で唸って、あんがびっくりして固まった。仕切り直しに1週間かかりました。
  2. ふくの食事をあんに見せた: 序列を意識せず、両方の前で同時に食器を出してしまった。ふくが食器の前で唸るようになり、慌てて別室に分けました。
  3. 「3ヶ月で仲良くなる」と過信した: 個体差があるのに、SNSで見る「1ヶ月で兄弟みたい」みたいな投稿に焦っていました。

結論

3ヶ月で**「敵じゃない」**まで来たら成功です。「親友」まで行くには、もっと時間がかかると思います。うちの場合、ふくとあんが本当に並んで寝るようになったのは、迎えてから半年以上経ってからでした。

焦らないこと、先住犬を最優先にすること、これに尽きます。私は獣医ではないので、関係構築に何ヶ月経っても改善が見られない場合は、必ず行動診療を扱う獣医さんに相談してください。攻撃性が強い場合は専門家の介入が必要です。

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この記事を書いている人

久保里奈(くぼ りな・39歳)
神奈川県逗子市在住のフリーランスデザイナー。 柴犬「ふく(メス・6歳)」「あん(オス・2歳)」と暮らしています。 柴犬専門で10年、咬みつき癖や手作りごはんの試行錯誤の記録を綴っています。

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タグ: #多頭飼い#先住犬#関係構築